株式投資は富裕層のものか
From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
2/22(日曜日)
朝のニュース番組で、
このような報道があった。
1 高市トレードで円安株高が進んだ。
2 富裕層は株に投資し株高で潤っている。
3 庶民は節約し円安でさらに困っている。
という趣旨だったと思う。
ニュース報道は
制作者が主張したいことを
「都合よく断片的事実を組合わせて」
思い込みに満ちた報道に
なりがちなのだけど、
この番組でも
思い込みによる間違いを
報道していると思った。
順を追って説明してみる。
まず、1 の報道は正しい。
積極財政補助金や官庁主導プロジェクトと
減税(政府の借金が増え税収入も減る)のため、
円は売られる。
番組では()の説明を省いていたので、
政権への忖度を働かせていると思う。
なお、日銀の利上げも今後必ずあるので、
円安は限定的になる可能性も高い。
2 は受け取り方次第だが、
報道では富裕層と庶民を
対比させていた点で
ミスリードしている。
株を買った人は儲かっている
という部分は正しいが、
富裕層が株に投資しているので
(まるで富裕層だけが)
株高で儲かっている
という構図は思いこみである。
株をやっている人は富裕層
という思い込みを
勝手に加えているのだ。
株に投資している人は、
誰でも等しく儲かっているはずである。
株式投資は富裕層のもの、
というステレオタイプな構図は
正しく社会を認識できていない。
数字で説明してみる。
日本証券業協会の調べ
(2024,2025)によると、
個人で株式投資をする人は、
年収500万円未満の人が
個人投資家の 66.6%(=2/3)もいる。
少なくとも
富裕層といわれる人々が
メインではないのだ。
しかも、
年収300万円未満の人は、
41.4%もいるのである。
4割以上の人は
年収300万円以下なのである。
ちなみに、
日本の平均年収は
477.5万円(2024国税庁)である。
株式投資は富裕層のもの
という言い方は
少なくとも間違っているのである。
3 も違う。
スキー場にいる家族の
インタビューが使われていて、
物価高厳しいです。
と発言する映像だったが、
このスキーヤーが
株式投資をやっていない人
という記述はなかった。
株は富裕層のもので
庶民はやっていない。
しかし、
物価高の影響は背負ってる
ということをニュースしているのだから、
株式投資を行っていない庶民
に取材すべきであった。
そもそもこの取材では、
家族でスキーを楽しむ人を
庶民の代表に仕立てていたが、
少なくとも
生活苦の庶民の姿には思えぬ。
これもミスリードだし、
情報操作にさえ見えるのだ。
金融リテラシーがあれば、
所得とは関係なく株式投資しているはずで、
投資額は所得に比例するから、
富裕層の利益額はそりゃ大きくなるが、
庶民も富裕層も、
みな等しいリターンを
享受しているはずなのだ。
年収300万円で
株式投資まで行っている人が
多数いるなかで、
より高い所得を得ている人が
株式投資をしていないために
株高の恩恵はなく、
物価高であえいでいるのであれば、
「金融リテラシーのなさこそを嘆く報道」
をすべきであると思った次第だ。
奥村尚