From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

2000万円不足する老後の話(2017年)。
あれからどうなったか?

今の日本で
2人夫婦で老後を過ごすのに
どれだけの生活費がかかるか。

いくら足りないか、
という話が話題になった。

2000万円不足するぞという話を
覚えている人も多いと思う。

総務省が毎年発表する
家計調査報告から、

65以上の年金生活者の月の収支
(収入20.9万-支出26.4万)を
計算して、不足額が月5万4500円。

65歳から95歳まで
(夫婦元気に)生きた場合、
30年続くから、平均的な生活者は、

総額2000万円不足する、

という論理で算出した数字なのだ。

この話は、
2017年に発表された情報を
もとにしてのことだ。

いまはどうなっているだろう。

総務省が2025年8月に公表した
最新データ(2024年の統計)をみると、

あれから8年経過し、
支出額は、65歳以上で、
27万3千円になっている。

月あたり、9千円ほど、
生活費が上昇していることになる。

収入が8年前と変わらぬとすると、
不足額の累計は、65歳から30年生きるとして、
2290万円に上昇する。

少し悪化したことになる。

ただ実は、
年を取るほど支出は減ってゆく。

年を取ると、光熱費も食費も、
必要な支出は
どんどん減ってゆくのである。

5歳年を取ると、月1万3千円、支出が減る。

それを考慮しても、やはり、、、

合計すると2000万円足りない!

のだ。

でも、この考えには
致命的な欠陥がある。

2000万円は、
今後30年間に必要なお金の合計であって、
キャッシュが今必要というわけではない。

月5万4500円の不足であるので、
年65万円。

このお金があれば、
今後1年を過ごせることになる。

ならば、
これを投資で毎年稼げばよいのである。

案外たやすい。

日経平均の
ここ10年の平均リターンは、
8.5%だ。

あくまで、
10年間の平均的な話ではあるが、

元本が800万円あれば、
8.5%のリターンが得られる。

つまりは年間68万円の収益が得られる。

だから、

株式運用できる人は、
2000万円ではなく、
800万円あればよい。

重要なのは、
元本には1円も手を付けずに、
実現できることだ。

そう、年金生活者こそ、
株式運用をすべきなのである。

昔の知恵として、
年金生活者は、株はリスクがあるのでやめとけ
といわれていた。

これは、株式は生い先が長い若者がするもの、
余命短いリタイア世代はやめとけ、
ということであったが、、、

、、、、もう完全に昔の話だ。

最近の厚生労働省の
完全生命表(2020年調査実施)
をもとに計算すると、

男性の9割が、94歳で死ぬ。
女性の9割が、98歳で死ぬ。

言い換えると、1割の人は、
この年齢を迎えることになる。

『男性95歳、女性99歳』

いかがでしょう。

いまは人生100年時代。

65歳の人だって、投資家として、
まだまだ、時間が残されているのです。

 

奥村尚