From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

相場の格言では、
事故は買い、事件は売り
というものがあります。

事故は、買いでよい

一過性のものであり、
その下落はすぐ終わるので、
強気で対峙してよい

事件は、売れ

事件は解決まで長引くものであり、
下落も長引くため、売りである。
少なくとも買い向かわずになにもするな。

という趣旨です。

さっそく、
検証してみましょう。

以下は、日経平均の、
過去の下落率ワースト10です。

日次ベースで、
前営業日の終値に対して、

下落日の終値の下落率で
計測しました。

この10傑の中で、
事件と事故を区別すると、
このようになるでしょう。

事故を、
このように定義しておきます。

地震とか火事とか、
避けることのできないようなこと。

一言でいうと
交通事故にあうようなもので、

避けることができず
解決できるものではなく、
時々起こる。

下落の理由も
意味がわからないこともあるが、
それも相場である

事件は、
このように定義できます。

金融や社会の
仕組みの中で起きた問題であり、

理由は明確だが、
広範囲に影響が及び、
解決はできるが時間がかかるもの。

今回表で提示したものの、
大半は事故です。

事件といえるのは、
リーマンだけです。

東日本大震災は、
本来地震だけであれば
事故に分類できるのですが、

原発の水素爆発を併発しており、

放射能やエネルギー問題の
解決が必要であった点で、
事件に分類すべきです。

まず、事件を検証してみましょう。

最大の下落率を記録した
ブラックマンデーは、

下落後 2日間で、
12.2%の上昇を果たしました。

2番目の下落率を記録した
2024年8月5日の原因不明の暴落は、

昨年のことですから、
皆さんも記憶していることでしょう。

このときは、
翌日に10.2%の上昇をはたし、
かなりの穴を一気に埋めました。

5番目のスターリン死亡のときは、

その後2日間で
10.7%の上昇をはたし、
むしろ上昇の機運を起こしました。

9番目、ベトナム戦争激化のときは
その後3日間で4.1%上昇し、
半値戻しを達成しています。

10番目、ブレグジットのときは、
その後6日間で5.4%上昇を果たし、
2/3程度の戻しを達成しています。

全てのケースで、
あっというまに戻しているか、

少なくとも短期間で
下落の半値戻しを
達成しているんですね。

事故のケースは、
また次回にでも、
みてゆくことにします。

奥村尚