From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

今年に入って、ドル円は
一時の円安の動きとは打って変わって、
円高に反転してきたようです。

昨年は、7月に
162円を超えて推移したのですが、
その後反転、

9月に140円を付けた後、
今の水準に落ち着いています。

7月から9月の短期間に
20円も動いて、
また反転したんですね。

なかなか、急激に動くものです。

今年に入ってからの動きをみると、
動いてはいますが、
一方行と単調なものでした。

みてみましょう。

ドル円と、
米国債10年ものの利回りを
合わせてプロットしました。

これをみると、10Y金利と
全く同じ動きをしているのが
よくわかります。

同じグラフを、
別の形(xy)で見ると、関係は
さらにクッキリと浮かび上がります。

10年金利をx ,
ドル円をyとして
プロットしたものです。

わかりやすく、
グラフ内にxyの関係を式でいれました。

この式です。

y = 19.45x + 65.68

これは、

米10Y金利が1%上昇(下落)すると、
ドル円レートは19.45円上昇(下落)する

ことを教えてくれます。

決定係数は
82.55%なので、

ドル円レートは、
米10年金利だけで82.55%
説明できることを示します。

他の事由でも
ドル円は動くのですが、
その比率は

100-82.55= 17.745%

でしかない、ということです。

米国は今までも、
今後も利下げを継続すると
考えてよいでしょう。

よくニュースで
FOMCが利下げを発表した、
という話を耳にしますね。

米国が利下げすると、
円高になるという関係は、
このように単純に読み取ることができるのです。

加えて、日本は
先進国最悪のインフレになっているので、
利上げして物価を抑える必要性が高まっています。

ところで、いまの日本の物価水準を、
購買力平価(消費者物価基準)でみると、
109円程度で米国と均衡します。

つまり、米国で、
リンゴ1個が1ドルであった場合、
同じ品質のリンゴを109円で買える、

のが、ドル円レート109円というわけです。

109円より
円安であれば、円は過小評価、
円高であれば、円は過大評価、

と判断できます。

これを考えると、夏までに、
一気に20円くらい円高が進んでも、
まだ130円台ですから、

全然おかしくはないのです。

奥村尚