オーバーシュートと株式相場
From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
最近、本当によくある事なのですが、
先週のある日、電車がとても遅れました。
東京の朝10時という時間帯で
電車が15分も来ないというのは
なかなかないことですよね。
当然電車は大混雑..と思いきや、
なんとガラガラ。
残念ながら、
その電車に乗ることができず、
タッチの差でホームから出発してしまったので
仕方なく15分待ってみました。
次の電車はとても混雑していました。
そのまた次の電車はすぐに続いて来るという
アナウンスがありましたが、
本当にすぐに来るか怪しかったので、
久しぶりに混雑した電車に
乗ってしまいました。
おそらくその電車は
空いていたことでしょう。
混雑した電車の直後には、
空いている電車が来る確率が高いことは、
誰もが経験的に知っていますね。
「オーバーシュート」という現象です。
「短期的な行き過ぎ」という意味です。
ここまでは感覚的なもので、
ー-----------
空いている電車のあとは
混んでいる電車がくる。
混んでいる電車のあとは
空いている電車がくる。
ー---------ー-
という話です。
ところで、
情報Ⅰという学科が
大学受験に新設されましたが、
コンピュータに必要な基本教養を
範囲としています。
いま取り上げた電車のような問題を、
確率モデルとして組み立て(モデリング)、
数字で解決するのです。
ちょっとだけ、
やってみましょう。
「空いている、混んでいる」の分岐点は、
その時間帯、その曜日の乗車率の
平均値にするとよいでしょう。
平均よりわずかでも空いている時はマイナス
平均よりわずかでも混んでいる時はプラスとして
表すことができます。
過度に空いている、
あるいは、
過度に混んでいる状態は、
ー----------------
平均より大きく乖離して空いている
平均より大きく乖離して混んでいる
ー-----------ー---ー
状態になります。
どのくらい乖離しているかは、
標準偏差で数値化できます。
わかりやすく、
偏差値化しても良いでしょう。
平均ピッタリの時は偏差値50
偏差値40以下になるガラガラさ、
頻度16%以下の割合
偏差値60以上になる混雑さは、
頻度16%以下の割合
として数字で示すことができます。
このように全ての電車の乗車率を確認して
数字に当てはめたとして、
偏差値 40(かなりすいている) 電車の次には
偏差値いくつがくるか、
偏差値 30(圧倒的にすいている) 電車の次には
偏差値いくつがくるか、
といったシミュレーションをすることで、
感覚的な仮説を実証できるわけです。
相場でもこうした現象は
よく発生します。
電車が空いている状態を下落
電車が混んでいる状態を上昇
として例えると
分かりやすくなるでしょうか。
これをモデリングすると、
たとえば、大きな下落のあとに、
どのくらい戻す(=上昇する)
相場になっているのか、
その確率はどうであるのか
を定式化できます。
行き過ぎた下落相場は、
何日でどれくらいもとに戻るのか
ということもわかります。
(たぶん)次回ですが、
下落した相場を実例にモデリングを
してみようと思います。
検証を進めていますが、
案外、数字にすると
いろいろなことが明確になりました。
お楽しみに。
奥村尚
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