金融庁発表「昨年8月の相場分析」について
From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
金融庁は、定期的に
金融分野のレポートを
発表していますが、
2025年に入り、昨年8月に起きた
あの急激な相場変動に関する
分析レポートを発表しました。
https://www.fsa.go.jp/common/about/kaikaku/fsaanalyticalnotes/
(2025.1参照)
非常に興味深い内容ですが、
専門的すぎるので、
かいつまんで紹介すると、
-日経平均先物の(大量の売り注文)
による動きは確認できなかった
-5日の特に後場は板が薄く
(注文が少ないこと)、 これが
急な相場変動の背景にあると推察
としています。
要するに、先物ではなく、
株式の商いが薄い状況で
あったしているのですが、
それだけで、何千円もの
下落が起きるということは
考えられません。
ちなみに、
NK225採用銘柄のウェイト上位は
このようになっています。

これをみて、
ちょっとしたことを思いつきました。
日経新聞社は、2024年7月31日に、
ファーストリ(9983)の
日経平均に対する構成比率を、
10月1日から
引き下げると発表したことです。
この日は、
ちょうど秋に実施する
日経平均の定期見直しの基準日だったのです。
もともと、日経新聞社は、
2022年に日経平均の構成比率で
10%を上回る会社の(日経平均計算上の)
換算係数を引き下げる
という発表をしていました。
この発表で、
仮説
『ファーストリは日経平均連動する
ファンドから、リバランスのため
売り浴びせられたのではないか』
さっそく、検証してみましょう。
この時期の、ファーストリの株価を
日経平均と合わせてみていきます。

株価だけみても、
なんだか、よくわかりませんね。
そこで、日経平均1に対して、
ファーストリの価格が何倍であったかを
計算してあわせてプロットしています(赤線、右軸)。
あれ、むしろ、8月に入ってから、
ファーストリの株価は
相対的に加速して上昇しています。
つまり、
売られたどころか、買われたわけです。
あっさり、
上記仮説は棄却されました。
でも、10月に入り、
ファーストリの株価倍率は、
日経平均に対して急落していますね。
それまで、1.37以上あった倍率が、
1.24まで下がっています。
だいたい、10%程度倍率が減少した計算です。
実際、ファーストリの係数は、
3から2.7に下げると日経新聞社は
発表しているので、ぴったり一致しますね。
構成比率が下がっているので、
日経平均連動型のファンドは、
この時期にファーストリを売ったのだと思います。
さて、
ファーストリの、7月末時点での
構成比率は10.4%でした。
この時、株価は41650でした。
この数字から、ファーストリの
株価4004円で日経平均の1%を
構成していたことがわかります。
ところが、12月末の時点で、
ファーストリの構成比率は11.98%と、
さらに大きくなりました。
12月30日の
ファーストリの株価は、53820
この日、日経平均は39894でした。
日経新聞社は、
NK225のウェート10%を超えた銘柄を
調整するといっていますので、
今年もまた、ファーストリの
ウェートを下げるでしょう。
1月31日にも調整が発表されますが、
さらに11%程度、下げられる様子です。
4月から適用されるので、
昨年10月と同様、今年の4月も
ファーストリの株価は下げやすいといえましょう。
ファーストリの株価3330円で
日経平均1%を構成しているのですね。
確かに、7月に比べると、日経平均の1%が、
4004円から3330円に下がっていますので、
3330/4004=83%、つまり、
17%ウェートが下げられたことがわかります。
奥村尚
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