日銀の誘導金利をさらに掘り下げる
From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
先週のblogでは
日銀の誘導金利が
どのように伝搬し
物価が抑えられるか
という流れをお伝えしました。
ここで重要なのは、
誘導金利=一日の貸し借りで、
かつ、
インターバンク取引
ということです。
民間の銀行(市中銀行)が
企業や個人へ貸し出す金利は
期間も、金利も、
自由に設定できる
という建前です。
とはいえインターバンクは
銀行にとっては
資金の仕入れを行う場です。
製造業であれば、
仕入れ原価に加えて、
人件費などの必要経費、
そして利益をのせて、
販売しますよね。
銀行も同じです。
仕入原価に相当するのが、
インターバンクレートです。
人件費などの
必要経費の考えも同じです。
仕入れた資金の金利
=誘導金利なので、
それを下回る原価割れの金利にて
貸し出しはできません。
このようにして、
誘導金利に合わせて、
短期金利もどんどん上昇します。
長期金利は、
短期金利に合わせて
上昇をするのですが、
1年を超える長期金利は、
やや複雑な要素が入ります。
まずは、
長期金利と短期金利を、
比較してみます。
ここでは、
5年金利(長期)と
1か月金利(短期)を採用します。
国債の残存期間が
5年もの、1か月もの、
それぞれの利回り(金利)を
縦軸にとっています。

マイナス金利であった
2022年から時間軸をとりました。
1か月金利は2024年半ばまで
マイナスで推移していますね。
5年金利も、
似たような動きを
していますね。
でも、5年ものという長期金利は、
短期金利だけではなく、
他市場の影響、
そして金利の見通しに
大きな影響を受けます。
5年もの金利も、
2022年の半ばまでは
ゼロ金利でしたが、
2023年後半から
1か月金利と乖離しはじめました。
注目してほしいのは、
2024年7月です。
日銀は、2024年3月に、
マイナス金利を解除したのですが、
市場ではマイナス金利、
およびゼロ金利がしみ込んでいて、
金利は上がりませんでした。
2024年7月に、
ようやくゼロ金利も見直し、
0.25%の金利へ
誘導されはじめたのです。
ですので、
1か月もの金利は、
直ちに階段状に上昇しました。
しかし、
逆に5年もの金利は
階段状に下がっています。
この時の日経平均を
思い出してほしいのですが、
なにか理由がわからないまま、
8月5日に-4,451円の下げが
起きました。
その後も株価の下げが続いたので、
株式市場から資金が流出し、
国債が買われました。
短期国債は流通量が少ないので、
長期国債に資金が向かい、
国債は値上がりします。
つまり、国債が値上がりすると、
利回りが低下します。
長期の金利の下落が
起こる事になります。
短期金利は上がるが、
長期金利は下がる。
同じ金利でも、
長期と短期では、
反応が異なる事があります。
長期金利は、
市場のいろいろな思惑で
売買されるので、
日銀の誘導金利とは
まったく別に、
市場で取引されるのが
理由というわけです。
こうした、
短期売買による影響に加え、
「今回は誘導金利は利上げされたが、
今後も頻繁に続くかどうか、の見通し」
によっても
大きく長期金利は上下します。
今現在の金利の見通しは、
今後も上昇を続けるという見方です。
日銀の誘導金利そのものの取引
=無担保コール翌日物金利 (OIS)
を調べることで、
日銀の誘導金利の見通しを、
市場がどう見るか、
手に取るようにわかります。
ちなみに、OISデータは
短資会社から毎日公開されるもので、
無料です。
現時点では、
今月(10月30日)の日銀金融政策決定会合で
利上げされる可能性は、
20%と低いものでした。
9月18日に
引き上げたばかりなので、
日銀はしばらく様子を見る
と考えるのが妥当でしょう。
その次の決定会合は、12月18日です。
(この時に、さらに0.25%
引き上げられる確率は、
徐々に上昇中です).
最終的には、
誘導金利が2%に届くまで
つまり、
あと3回利上げが起こる
と予想されています。
10年もの金利は、
今は3.1%ですが、
3回の利上げの結果、
最低3%台後半、
たぶん4%突破すると
私は見ています。
そうした状況が、この先そう遠からず、
もしかすると来年末には起こる
という話でした。
奥村尚