From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

今回は、米国とイスラエルによる
イランに対する軍事行動以降の
株価を取り上げます。

当然下落ということになりますが
その下落の具合を
日欧米でみておきましょう。

2/27-3/31(正午)までの相場を、
2/27=100として指数化しています。

まず、この軍事作戦を起こした
米国での株価下落は
10%も下がっていないことがわかります。

それに反し、

欧州株(独DAXを代表してみています)、
日本株(NK225)は
10%以上下落しています。

しかも、日本株は欧州株より
(かなり)大きく下落しています。

欧州は中東から比較的近く、

地政学的な理由で
下落幅が大きいことは
容易に想像できます。

でも、日本は中東から
大きく離れています。

当事者の米国より
大きく下げるというのは
解せません。

日本株が突出して下落したのは
何故でしょう?

おそらくこれは、

中東への石油依存度を
反映したもの

という説明が
しっくりくるでしょう。

日本は、
原油自給率は0.5%以下

つまり99.5%以上を
輸入に頼っています。

そのうち90%は
中東からの輸入です。

しかもその90%は
ホルムズ海峡を
通過します。

つまり、

ホルムズ海峡が封鎖されると、
日本の原油の80%以上は
止まるということです。

主要国の
原油中東依存度をみてみると、

日本 95%
中国 40%
EU 10-20%(国によるが)
米国 7%

となっています。

中国はロシアから輸入しているので
中東依存はそれほどでもありません。

EUは、英国や米国から
原油を調達しているので、

案外中東依存ではない
ということがわかります。

米国は、
そもそも原油輸出国でもあり

中東から輸入する必要性は
高くありません。

こう考えると、
日本は突出しています。

中東全域から
輸入しているわけではなく、

サウジアラビア、UAE、
クウェート、カタールの
4か国だけに依存しています。

全てホルムズ海峡側の国ですから
そりゃ、大半がホルムズ海峡を
通過するわけですね。

これだったら、

日本の株価も下がってアタリマエ
というステレオタイプな繋がりで

株価が下落しているのでは
ないでしょうか。

では、もっと世界中から
幅広く輸入することを
直ちにできるかというと、

実務的にも難しい問題があります。

原油を輸入することだけは、
あれこれ手を尽くすことで、

アジアや北米、
場合によっては
ロシアから輸入できるでしょう。

しかし原油は輸入した後、
日本で石油精製を
行う必要がありますね。

原油は掘り出した
どろどろした黒い液体ですが、
それをプラントで精製して、

灯油、軽油、重油、ガソリン、
ナフサ、ジェット燃料などに
変える工程が必要です。

産地ごとに性格が異なるため、
中東に合わせて設計した
既存のプラントで

そのまま中東以外の原油を
直ちに精製するわけにも
いかないんです。

では最初から精製された重油だけ
ガソリンだけを運んでくる
という手もあるでしょう。

その場合、

原産国で精製する手はずを
整える必要があり、
時間がかかります。

なかなか、短期間では
解決しづらいものですね。

エネルギー全般として考えると
原子力発電所は
ひとつの解決になりえますが、

日本はすっかり原発に
ネガティブで臆病な機運が
残っていますので、

これまた、難しいでしょう。

最終的には、

エネルギー価格をうんと値上げして
需要を減らす

ということになります。

既に米国は、
市場経済の中で(需給で)
値付けしているガソリンは

日本の倍の価格まで
一気に跳ね上がっています。

日本も、
こうなる可能性がありますね。

とはいえ、

その可能性はないとは
いえないだけで
非常に低いはずです。

あまり力があるとは
言えないイランが、

世界の反対を押し切って
ホルムズ海峡をわがものにする
ということは、

現実では考えづらいのです。

そう遠からず、

相場にそうした解釈は
広がってくることになる
と考えています。

 

奥村尚