イラク戦争では株価は89日で回復 ― 今回の中東情勢を読む
From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
先週から始まったイランに対する
イスラエル米国による軍事作戦は
驚きました。
ベネズエラの一件が
あったとはいえ、
イランは大国ですし、
遠方の国です。
しかも、中東という
非常に難しい場所の
ド真ん中にあるのですから。
この軍事作戦は、
いろいろな観点から
見たり語ることができますが、
ここでは、状況の観察と、
株式相場との関係を
みてゆこうと思います。
イランの最高指導者を殺害してなお、
イスラエルは、
攻撃は今後エスカレートする
と声明を出しているので、
一連の動きは継続中です。
今回はイランが舞台ですが、
これは2003年の
イラク戦争と似ています。
まずは、2003年のイラク戦争を
振り返ってみましょう。
ちなみに、
軍事作戦と戦争の違いは(古典的な定義ですが)、
1国が
ピンポイントな目標のために
短期間で
行動するか否か
です。
人質救出などは
軍事作戦の代表的なものですが、
ロシアのウクライナ侵略は
1国の行動ではないので戦争
今回のイランの件も、
米イスラエル2国の
共同作戦なので、
軍事作戦ではなく
本来は戦争と区分すべきでしょう。
イラク戦争では英米を中心に
30を超える国が有志連合を組み、
イラクに攻撃を行いましたので戦争です。
その経緯はこうでした。
2002年7月
ブッシュ政権は、
大量破壊兵器の隠匿を理由に、
査察受け入れと
情報開示の条件を
突きつけました。
イラクは一応従ったのですが、
それでもまだ疑惑を
払拭できないとした米国は
武力行使に踏み切ります。
2003年3月19日、
フセイン大統領一族の
国外退去を求め、
返答がNoの場合は
先制攻撃を掲げます。
翌日、
フセインが応じなかったため
空爆を開始します。
2週間後の4月4日、
米軍が首都バグダッドに入り
4月9日、
フセイン像を引き倒し
政権は崩壊しました。
その後もイラク軍の抵抗がありましたが、
大きなものではなかったので、
3月20日にはじまり、
4月9日に終焉を迎えた
約3週間に及ぶ
作戦であったと言えます。
翌月5月1日
ブッシュ大統領は
空母の上で大規模戦闘の
終結を宣言します。
2003年12月には
逃亡していたフセイン大統領が
拘束されました。
この時期の日経平均を、
みてみましょう。

戦争前に8500円前後だった日経平均は、
戦争直前には8000円まで下げ、
そのあと一度、
もとの8400円程度まで戻します。
戦争に嫌気して、
再び下がり始め、
4月9日を過ぎても
ズルズルさげてゆき、
4/28日に戦争後の
最安値7608をつけました。
戦争前の高値8771(2/17)からみると、
13.3%の下落です。
戦争前の8500を回復したのは6月2日で
戦争を理由とした下落期間は、89日でした。
今回のイラン軍事作戦、
エピック・フューリー作戦は
2月28日に始まりました。
24時間で1200を超える
軍事拠点(標的)を攻撃し
48人の指導者が一撃で消えた
(トランプ大統領)というほど、
事前の周到な準備がうかがえます。
トランプ大統領の発言によると、
5週間程度で終わるという
意識をもっているようですが、
長期にも備えられる、
としています。
既に最高指導者を
失ったイランには、
どれほどの求心力が
残っているかは
わかりませんし、
イラクと同じ結末に
なるとも限りませんが、
イラクの事例は
ひとつのベンチマークに
なるかと思います。
奥村尚