日銀利上げ、株式市場はそれを好感?
From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
先週末、
日銀が金利を上げました。
TVでも、30年ぶり、と
大きく取り上げられましたので
皆さんもご存じだと思います。
日経平均と日銀が誘導する
政策金利の関係を、
長期でみておきましょう。
政策金利は、
昔は公定歩合と呼ばれていた頃からの
超長期をお見せします。
30年前といわず、
50年以上前からのものです。

日銀が金利を上げていった
ケースというのは、
50年間をみても、
とても回数が少ないことが
わかりますね。
なかなか日本では
経験できないケースともいえます。
慣れないことがおきると、
それに対する反応も
慣れていない感じのものに
なりがちですが、
今回は、利上げをうけて、
株価は上昇し、
今週も日経平均は
大きく上げてスタートしました。
まず、日銀が金利を上げると、
インターバンクレートが上がります。
ここまでは、確実に起こることです。
インターバンクレートは、
一日単位での銀行間の
無担保レートです。
言ってみれば、
仕入れが上がるので、
それを使う貸付も上がります。
つまり、
短期金利は上昇します。
短期金利が上昇すると当然に
長期金利は短期金利を
上回るように上昇をします。
短期金利を決めるのは
短期国債、
長期金利を決めるのは
長期国債の市場です。
金利が上昇するためには、
国債の価格が下がる必要があり、
実際、国債の価格は下がります。
株式は、金利に該当するものは、
益回りといいます。
益回りは、
一株当たりの税引き利益を、
株価で割ったものです。
益回りが大きいほど株式投資は、
金利で運用するよりも有利になります。
同じ意味ですが、
金利が大きくなると、
株式投資は不利になるので、
下がりやすくなります。
つまり、日銀が金利を上げると、
(本来は)債券が下がり(=市場金利上昇)、
株も下がります。
今回も、市場金利は上昇しました。
でも、
株は下がるどころか、上がりました。
よく経験することですが、
株式市場は本来の方向とは
逆に動くことがあります。
なにか悪いことがおきたのに、
懸念していた悪いことが起きた。
これは良いことではないか、
とみるわけですね。
これで懸念はなくなった。
それをあく抜きと観て、
だから買いだ。
というわけです。
PERをみると、
12/22(mon)の終値 50402に上昇した時点で、
PERも上昇し、19倍の大台に乗せました。
今年11月前半の、
5万1千円台に乗せていた時の
PERの水準に戻したわけです。
株式市場は、
強気の機運が続いている、
とみなすこともできますね。
奥村尚