まさか、まさか のドル円年末推計値
From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
今週は、1日遅れで
20日から1週間が始まります。
通常、日本が先進国の中では
最初にマーケットが開き、
その後欧州、米国へとつながるのですが、
今週は、月曜に女王の葬式が行われ、
ロンドンは休みだったので、
欧州も見えづらいスタートとなりました。
こうしたときは、
NY市場を観察しておくことで
見えてくるものがあります。
米国は21日のFOMCの直前ですが、
10Y長期金利は3.5%を目指して
ジワジワと上げています。
拙者の試算では、
ジャクソンホール(8/27)以降、
10Y長期金利とドル円レートの関係は、
以下のようになっています。

式にすると、こうなります。
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(1次式で推計)
ドル円レート = 17.11 * 金利x + 85.67・・①
(決定係数 90%、
つまり精度は非常に高く推計できています)
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金利xに3.5を代入すると、
145.55円が推計レートです。
しかし、実際のレートは143.28円なので、
2円程度円高にシフトしています。
関係が変わったのか、
あるいは、2円の歪が一時的にあるのか、
ということですが、おそらく両方です。
145円には強烈な心理バリアがあるので
そこを越えたくない力が働くということ。
そして、FOMC直前で歪もまたある、
ということ。
今後(FOMC以降も含めて)、
1円の円高シフトの計算式にシフトされ、
②に変化すると見ています。
先ほどのグラフの、点線で提示した直線から
その関係が発生していることがわかります。
新しい関係は、
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ドル円レート = 17.11 * 金利x + 84.67・・②
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いまより1円程度円安に振れて、
推移してゆくだろう、という予想です。
②のまま関係が続く場合、11/2のFOMCでは、
さらに0.75%の利上げされることを
市場は予期しています(確率55%)
このとき、長期金利xも0.75%以上上昇するので、
ドル円レートは153円と推計されます。
同じく②のまま、
12/14日のFOMCまで関係が続くと、
こうなります。
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12月FOMCでは、さらに0.5%の利上げが
予想されています(確率40%)。
このとき、長期金利も0.5%以上上昇するので、
ドル円レートは161.7円と推計されます。
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同じく②のまま、
2023年の2/1のFOMCまで関係が続くと、
こうなります。
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2月のFOMCでは、さらに0.75%の利上げが
予想されています(確率40%)。
このとき、長期金利も0.5%以上上昇するので、
ドル円レートは174.5円と推計されます。
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174円!!
まさか、、、
日銀はここまで来る前に
円防衛の必要に迫られ、
利上げを示唆してくる可能性があります。
来年4月には、
黒田総裁は任期が切れるので、
日本も物価高を理由に
利上げをアナウンスするなら、
12月(もしくは2月)が丁度よい時期である。
というシナリオになります。
将来の行動を口先介入で示す、
いわば先渡し取引とでも言えるでしょう。
奥村尚
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