オーバーシュートという現象
From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
電車を例にして、
前回展開してみました。
相場でも、
こうした現象は
頻繁に発生します。
「行き過ぎ」の株価ですね。
下落時の「行き過ぎ」
上昇時の「行き過ぎ」
特に下落は
ー-----------
上げ100日、下げ3日
ー-----------
ということわざにも
あるとおり、
一気にドカっと下落するので、
肌でも頻度が高いと
分かっています。
この下落時の
オーバーシュートを
相場で検証するために、
実は多くの
準備が必要です。
何を基準に、
つまりどのような時間単位で
どのくらいの量を超えると
「オーバーシュート」
というのでしょうか?
まずは、
試験的に以下の実証を行います。
【1】 昨年の相場をもとに、
下落率上位22位をとってみる。
2022年の1年間において、
営業日は244日でしたので、
「22」というのは、
「22/244=9%」です。
別に22でなく、
下落率上位10位まででも、
30位まででもかまいませんが、
30位まで調べるのであれば
目と手では疲れてしまいます。
かといって、
12位(5%)だと楽に調べることが
できますがサンプルが足りない。
ですので、
9%(22日)としてみただけです。
月1回の比率は( 1/12=8.3% ) であり、
9%はその1.1倍ですから、
「毎月1.1回程度の下落に関する調査」
と言えます。
月1.1回の下落であれば、
「そこそこ大きな下落ばかり」
ということは予想できるでしょう。
この下落幅を一覧すると、
こうなります。
この下落幅の30%だけ戻すのに
要する日と合わせて
下落率の大きな順で示しました。

【2】これからわかるのは、以下の事です。
ー-----------ー------
(1)下落に対し、
30%戻しは全てのケースで成功している
(2)1営業日で戻すことも、
沢山起きている。
(1日で30%戻しを終える事象が50%の確率で発生している)
(3)戻すまでの日数は平均5.4営業日
(平均的には1週間で30%戻しを終えている)
ー------ー-----------ー
さて、カンの鋭い人は
「これを利用して指数取引で一儲けできそうだ」
と思う事でしょう。
相場を
リアルタイムで監視し、
一定の確率で起こる
大きな下落と、
その下落で
戻しが何パーセント期待できるか、
その確率を計算し
それと期待リターンとの比較で
投資すべきか否かを判断する
わけですね。
短期で下落し、
放っておけばもとに戻るので、
飛行機のエアポケットみたいです。
エアポケット戦略とでも
名付けておきましょう。
飛行機に慣れてくると、
エアポケット程度で驚くことは
少なくなります。
相場も同じです。
慣れてくると、
ー-----------ー---
この程度の下げは驚くに値しない
むしろ儲け時だ
ー---------------
と経験的にわかってきます。
「この程度の下げであるか否か」を
具体的に算出できれば良いわけですね。
細かな処理の話は避けますが、
ここで話した全ての事は、
確率変数を使ってモデリングすると
数式化できます。
今回は、
過去上位22位まで
という範囲と、
それに対して
30%の戻し
という適当な戻しの数字を固定し
下調べしたのですが、
こうした数字も、
モデリングの上では変数です。
上手にモデリングすると、
計算して答えを発見するのは簡単です。
数式化すると、
統計処理というアプローチで
計算ができます。
同じことを、
数式化せずに、
機械学習によって
AI的な解決ができます。
エアポケットのモデリング、
おもしろそうですね。
なにしろ、
儲かりそうな気がします。
奥村尚
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